いるか座の由来となった
ギリシャ神話は
いくつか伝えられています。
その中でも、海神・ポセイドンと
アンフィトリテの物語、
音楽家・アリオンの物語が
有名です。
この2つのお話の中で活躍した
いるかの物語を、
出来るだけ簡単に
解説してみたいと思います。
いるか座のギリシャ神話 ポセイドンとアリオンを助けた海豚の物語
海神・ポセイドンとアンフィトリテの仲を取り持ったイルカ
海神・ポセイドンは、ネレイデスの一人である
アンフィトリテを気に入り、
彼女を強引に自分の妻にしようとします。
※ネレイデスとは、海に住むニンフ(女神)達の総称で、
海神・ネレウスの娘たちです。
アンフィトリテはこれを嫌がり、
逃げ惑った末、海神・オケアノスに
匿ってもらいます。
※オケアノスはアンフィトリテの
祖父にあたります。
ポセイドンはアンフィトリテの行方を
探し回りますが、
その行方は一向に掴めず、
途方に暮れていました。
そこで、ポセイドンは、自らの使いである
イルカに彼女を探させることにしました。
そして、一匹の海豚が
見事に彼女の居場所を探し当て、
彼女を説得して、ポセイドンの元に
連れ帰ることに成功しました。
結果、ポセイドンはアンフィトリテと
無事に結婚することができ、
この功績が称えられたイルカが
天に上げられ、いるか座になった、
と伝えられています。
音楽家・アリオンを救ったイルカ
ギリシャ神話に登場する音楽家アリオンは、
シチリアの音楽祭に参加し、
多数の競技で優勝し、
数多くの賞金や商品を得ました。
そして、一隻の船に乗り込み、一路、
故郷・コリントスへと向かいます。
しかし、船が沖に出たとき、
アリオンの賞金を狙っていた船乗りたちは、
彼を殺して奪い取ろうと
襲い掛かってきました。
多勢に無勢、アリオンは観念し、
覚悟を決めました。
アリオンは船乗りたちに、
”最後に1曲だけ、演奏させてほしい”
と願い出ます。
船乗りたちもこれを聞き入れ、
アリオンは演奏を始めます。
すると、船の周りに、どこからともなく
やってきたイルカが集まりはじめ、
まるでアリオンの演奏を聴き入るかのように
大人しくしています。
やがて曲が終わり、アリオンは潔く、
海に身を投じます。
曲を聴いていたイルカたちは、
アリオンを救い上げ、
彼を背に乗せて、泳ぎだし、
コリントスへと送り届けてくれました。
この様子を見ていた神々が、
イルカたちの功績を称え、
天に上げて星座にした、
と伝えられています。
そして、アリオンの賞金を奪って
殺そうとした船乗りたちは、
無事に、コリントスへとたどり着いた
アリオンの証言により、
捕らえられ、罰せられた、
ということです。
また、このイルカたちは、
まだ幼かったころの酒神・バッカスを
誘拐しようとした船乗りたちの化身で、
アリオンを助けたのは
その罪を償うためだった、
とも言われています。
関連記事
くじら座のギリシャ神話 ポセイドンが送り込んだケートスの物語