経済成長が著しいASEANの東南アジア諸国は、海外株の投資先としても期待されています。そこで今回は、ASEAN株式に投資をするメリットとデメリットについて解説します。

ASEAN株式とはASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟している国々の株式のことをいいます。2020年現在、ASEANには以下の10ヶ国が加盟しています。

インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア 

この中から、今回はシンガポール株を取り上げてみたいと思います。

シンガポールが投資先に選ばれる理由として、以下の4つが挙げられています。

  1.       信頼性の高さ

シンガポールの政策、法制度、IT環境、ビジネス環境は高い基準で統制されており、効率よいインフラも整備されています。

  1.       知識レベルの高さ

優秀な人材の確保に向けた努力を、国をあげて行っていることから生まれたものと言えます。シンガポールは教育に熱心な国であることはすでに有名です。

知識集約型の製造業が発達しており、労働者への教育も力を入れており、仕事に対する総合的な知識が高いと言われています。

  1.       良好な物流ネットワーク

まさにシンガポールの地理から生まれたものと言えるでしょう。

シンガポールは、アジアのハブとして、多様な文化が交わる場所であるだけでなく、ヨーロッパへの中継地として、物流ネットワークの拠点にもなっています。

  1.       生活水準の高さ

コンパクトな地理の中に、生活消費を支えるショッピングセンターやレジャー施設がまとまっており、カジノやアミューズメントパークといった総合リゾートも生まれて、利便性はさらに高まっています。

また、文化の多様性もありながら、英語が公用語のひとつとして使われるため、世界中から観光客が訪れ、快適に楽しむことができます。

ここからは、シンガポール株についてご紹介していきます。

シンガポール株とは、シンガポール証券取引所(Singapore Exchange/略称:SGX)に上場している企業の株のことを言います。

SGXでは、国内株だけでなく、外国企業も多く上場しているのが特徴です。

この理由としては、シンガポールの政策として外国企業の誘致促進があり、そのためのメリットを多く用意していることがあげられます。例えば、外国企業の支社には税制の優遇が図られますし、法人税率も低く設定されています。実に、SGX上場企業の約4割が外国企業であり、時価総額では5割近くを占めているとも言われています。

SGXにはメインボードとカタリストという2つのマーケットがあります。

メインボードは、一定の規模以上の優良な大型企業向け市場で、カタリストは、急成長をしている企業向けの市場です。

株の購入単位は日本株と同じようにシンガポール株も100株以上、100株単位です。

配当金についてですが、シンガポール株の場合、仮に企業が前年度まで赤字で繰越欠損金が出ていても、今年度黒字になっていれば、翌年度には配当が可能になります。日本の場合は、配当は剰余金の額に限るという規定がありますが、シンガポールは、より柔軟に株主に配当していく姿勢があります。

また立会時間(=取引時間)は、外国株を購入する際に気を付けたいポイントのひとつです。時差により取引に立ち会えない場合、朝目覚めてみたら、株が大暴落していたなどということがあると不安です。

その点、シンガポールと日本の時差は1時間なので、とても安心できます。