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はやぶさ2とはやぶさの違いって?2つの探査機を徹底比較しました!

投稿日:2019年7月4日 更新日:

小惑星探査機”はやぶさ2”と、
初代の”はやぶさ”って、

何がどう違うんでしょうか?
 

共に、小惑星からの
サンプルリターンを
最大の目的とする、

2つの探査機の、
ミッションや性能面など、
 

いろんな角度から
検証してみました。

 

 

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はやぶさ2とはやぶさの違いって?2つの探査機を徹底比較


 

”はやぶさ”と、”はやぶさ2”は、
共に小惑星探査機で、

はやぶさは初号機、はやぶさ2は
はやぶさに改良を加えた2号機です。

 

2基とも、小惑星からのサンプルリターンが
最大の目的なんですが、
 

その他、宇宙への往復探査に
必要な技術の実証・確立のため、

様々な検証が成されています。

 

では、はやぶさとはやぶさ2の
性能を比較してみましょう!

 

 

重量(燃料込み)・・・はやぶさ :約510kg

           はやぶさ2:約600kg

 

 

送信用アンテナ・・・・はやぶさ :1つ・X帯パラボラアンテナ

           はやぶさ2:2つ・X帯平面アンテナ+
                    Ka帯平面アンテナ
 

アンテナが、パラボラから平面
変わっています。

 

平面型でも、パラボラ型と
同じような性能が出せるように
技術が進化したため実現したことで、
 

これにより、アンテナの重量を
約4分の1に減らすことが出来ました。

 

そして、アンテナの数が2つになり、
2つ搭載してもパラボラ1体より軽い

X帯Ka帯という2種類の電波で
通信できるようになりました。

 

Ka帯はX帯と比べて約4倍速い
というメリットがありますが、

悪天候時に弱い
というデメリットがあるので、
 

Ka帯とX帯の2種類の通信を
使い分けています。

 

また、パラボラ型は
熱くなりやすいのに対し、

平面型は熱を集めにくい
というメリットもあります。

 

空気が無いため、
なかなか放熱できない宇宙空間においては
大事な性能となっています。

 

 

小型ローバ・・・はやぶさ :1台・MINERVA

        はやぶさ2:3台・MINERVA-II1(2台)と
                 MINERVA-II2(1台)
 

ローバとは、天体の表面を移動して
観測する機器のことです。

 

はやぶさには、ミネルバ(初号機)が
搭載されていて、
 

小惑星イトカワに向けて
放出されましたが、着陸に失敗、

今も人工惑星として
宇宙空間のどこかを漂っています。

 

はやぶさ2に搭載されているミネルバ2は
ミネルバの後継機で、
 

初代ミネルバのデータをもとに改良、

というか、改良点が多かったので
新規開発扱いとなったものです。

 

初号機と同様、天体表面を
ホップして移動するんですが、

ミネルバ2は、初号機よりも
小さい振動のようなホップで移動します。

 

ミネルバ2-1は、2018年9月に投下され、
2台とも無事着陸、

リュウグウ表面を移動し、
写真撮影にも成功しています。

 

ミネルバ2-2は
2019年7月に投下される予定ですが、

不具合が発見されたとのことで、
こちらはどうなるんでしょうか?

 

 

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サンプリング装置
 

小惑星の表面からサンプルを採取する装置で、
両方ともに装備されています。

 

両方とも、サンプラホーン
と呼ばれる筒状のもので、
 

ホーン先端が小惑星表面に触れた瞬間に
弾丸を撃ち出し、

表面から舞い上がった砂や塵などを
採取する、という、

基本的性能は同じものです。

 

はやぶさ2での改良点は、

ホーンの先端内部に小さなツメ
(4mmほどの返し)が付けられ、

よりサンプル回収の可能性が
高くなりました。

 

要は、弾丸打ち込みによって
舞い上げられた塵などが

そのツメに引っかかるかもしれない、
ということです。
 

(5mmくらいまでの砂礫が回収できるのでは、
 と期待されています)

 

そして、サンプルの格納庫も
2部屋から3部屋に増え、

密封性能も上がり、

揮発性のガスなども一緒に
持ち帰れるようになっています。

 

 

あと、はやぶさ初号機には無かったもので、
 

・小型着陸機(MASCOT)

 4つの観測装置を搭載していて、
 小惑星表面を表面を調べるのが目的です。
 

 ドイツとフランス両国で
 共同開発された着陸機で、

 1度だけジャンプして
 移動することが出来ます。
 

 2018年10月に無事着陸、
 リュウグウ表面の観測に成功しています。

 

・衝突装置

 小惑星表面に人工クレーターを作る装置です。

 

 衝突装置について、詳しくは
 以下の記事をご参照ください。
   ↓    ↓
はやぶさ2のインパクタの仕組み 人工クレーターを作った衝突装置について

 

 

・分離カメラ

 衝突実験の際に、小惑星の影に避難する
 はやぶさ2本体に代わり、

 爆破などの様子を撮影するカメラです。

 

 

これらの機器を搭載しています。

 

 

再突入カプセル
 

小惑星のサンプルを、
地球の大気圏再突入の衝撃から守る装置で、

両方ともに搭載されています。

 

はやぶさ初号機からの改良点は、

飛行環境計測モジュールが
搭載されている点です。

 

これで、飛行中の加速度・運動・
内部の温度を計測する予定、
とのことです。

 

 

はやぶさのミッションの最大の目的は

”小惑星イトカワからのサンプルリターン”

ですが、その他にも、

”深宇宙往復探査に必要な5つの工学実証”

というのも重要な目的でした。

 

5つの工学実証とは

・イオンエンジンによる惑星間飛行

・自律的な航法と誘導

・小惑星のサンプル採取

・イオンエンジンを使用した地球スウィングバイ

・カプセルによる大気圏再突入

 

つまり、はやぶさは、新しい技術を試すための
”実験機”という役割も担っていました。

 

そして、そのデータを元に発展させたはやぶさ2は、

C型小惑星からのサンプルリターン及び、
深宇宙往復調査技術の確立も目指しています。

 

 

現に、はやぶさでは為しえなかった

・小型ローバMINERVA-IIの着陸及び
 ホップによる移動

・タッチダウン時の弾丸発射

に成功しています。

 

そして、新たなミッションである

衝突装置による人工クレーター作成の成功と
その撮影にも成功しています。

 

人工クレーターについては、
以下の記事をご参照ください。
   ↓    ↓
はやぶさ2のクレーターの目的って?作り方や大きさは?

 

 

2019年7月11日の2回目のタッチダウン時に
小惑星内部のサンプルも無事採取できれば

太陽系の起源や生命の起源に
迫る可能性がより高くなりますね!

 

 

地球へ帰還した時も、はやぶさは満身創痍で、
大気圏へ突入・消滅させるしかなかったのですが、
 

はやぶさ2にはその先、

サンプルを地球に投下後、
次のミッションへ、

というところまで、
ぜひ、成功してほしいですね!

 

関連記事

はやぶさ2のリュウグウへのタッチダウン その方法と難しさについて

小惑星リュウグウとは 大きさや成分など天体の特徴について

はやぶさ2のイオンエンジンの仕組みと燃料について

 

 

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