はやぶさ2には
”イオンエンジン”
というものが搭載されています。
イオンエンジンとはどういうものか
その仕組みや燃料について
今までのエンジンとどう違うのか
など、イオンエンジンの
様々な疑問をまとめました。
はやぶさ2のイオンエンジンの仕組みと燃料について
はやぶさ2に搭載されている
”イオンエンジン”って
どのようなものなんでしょうか?
これまでの宇宙機
(大気圏外で使用される人工物)は、
”化学推進方式”でした。
化学推進とは、
固体や液体の燃料を燃焼させ、
そのエネルギーを放出させて
推進するものです。
その特徴としては、
推力が大きいかわりに、
(イオンエンジンの1000倍以上)
多量の推進剤(燃料)が必要(燃費が悪い)
推進力が大きいため、地球から宇宙へ
ロケットを打ち上げる時や、
宇宙機を軌道修正するとき
などに使用されます。
こういう、爆発的なエネルギーが必要な時には
無くてはならないものですね!
一方、イオンエンジンは
”電気推進方式”といって、
推進剤をイオン化(プラズマ)し、
電圧をかけて加速して噴射し、
機体を推進させます。
イオンエンジンの特徴は、
推進剤が少量で済む(燃費が良い)んですが、
推力が小さいです。
※はやぶさ2に搭載されている
イオンエンジンが要する推進剤は
1分間で数グラム程度、と言われています。
推進力が小さいので、
無重力状態(宇宙空間)でないと
力が発揮できませんが、
少ない燃料で長時間
飛行することが出来ます。
なお、地上では、
”1円玉1個しか動かせない”
などと言われています^^;
はやぶさ2のイオンエンジンの燃料には
キセノン(希ガス)が使われていて、
その理由は、
・単原子分子なので電離電圧が小さく、
エネルギー効率が良い
・他の物質と反応しにくい
・原子量が大きいので加速効率が良い
ということです。
※単原子分子とは、
一つの原子から出来ている分子のことです。
単原子気体・単原子ガスなどと
言われることもあります。
なお、キセノンは、初代はやぶさの
イオンエンジンの推進剤にも
使われていました。
はやぶさ2には、化学推進と
イオンエンジンの両方が搭載されていて、
うまく役割分担しながら
飛行しています。
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