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はやぶさ2のピンポイント・タッチダウンとは?

投稿日:2019年6月29日 更新日:

小惑星探査機はやぶさ2は、
先代のはやぶさには無かった

”ピンポイント・タッチダウン”
という機能を携えています。
 

その新方式とは、
一体どんな機能なのか
 

これまでのはやぶさの方式と
どう違うのか
 

など、はやぶさ2のタッチダウンについて、

なるべく簡単に、分かりやすく
解説していきたいと思います。

 

 

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はやぶさ2のピンポイント・タッチダウンとは?


 

ピンポイント・タッチダウンとは
 

ターゲットマーカーをあらかじめ投下し、
そのターゲットマーカーの正確な位置を捉え、

着陸場所を指定してタッチダウンする方式です。

 

これだけでは何のことか分かりませんよね^^

 

順を追って、なるべく分かりやすく
解説していきたいと思います。

 

まず、ターゲットマーカーとは
直径10cmほどの球形の装置で、

天体に投下し、探査機からの
目印となるものです。

 

ターゲットマーカーは
反射フィルムで覆われていて、

探査機から発せられたフラッシュによって
明るく輝き、目印となります。

 

 

今まで(先代はやぶさ)の方式は、
着陸の際に先にターゲットマーカーを分離し、
 

落下していくターゲットマーカーを
画面の中心にとらえながら追いかけ、

それめがけて着陸する方式でした。

 

よって、一度に追尾できる
ターゲットマーカーは一つだけで、

それを着陸の指定位置に
正確に落とす必要がありました。

 

それによって着陸の精度が
決まってしまうからです。
 

ターゲットマーカー = 画面の中心

ターゲットマーカーの位置 ≒ 着地地点

 

 

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それに対して、はやぶさ2の新方式では、

着陸態勢に入る前にあらかじめ落としておいた、
地表にあるターゲットマーカーを画面で捉えます。

 

そして、着陸位置を、例えば、
そのターゲットマーカーより南へ3m、
などと指定できるんです。

 

これは、ターゲットマーカーを
画面の中心に据え置かずにずらすことができる、
(着陸地点を画面の中心に捉えることができる)

というものです。
 

ターゲットマーカー ≠ 画面の中心(画面の中心は着地点)

ターゲットマーカーの位置 ≠ 着地地点にすることができる

 

 

よって、ターゲットマーカーを
正確に投下できなかったとしても

着陸地点を指定できるので
機体の着陸には影響なし!なんです。

 

また、複数のターゲットマーカーを認識し、
活用することもできます。

 

※1回目のタッチダウンでは
 一つのターゲットマーカーで
 実施されました。

 

 

この方法+探査機の自立制御をチューニング・
最適化するなどの対策により、

飛躍的に着陸精度が上がり、半径3mという
狭い範囲への着陸が可能となりました。

 

 

ただし、この方法は、
人工クレーターを作って

その近くに着陸するときのために
考えられていた方法だったようで、
 

1回目のタッチダウンで用いるのは
当初、想定外だったようです。

 

 

100mくらいの平坦な場所があれば、
普通にタッチダウンできるはずでしたが、

リュウグウの表面は岩だらけで、
 

100mどころか、20~30mの
平地すらありませんでした。

 

なので、当初のタッチダウンの予定を延期し、

先にターゲットマーカーを投下して、
付近を詳しく調査することにしました。

 

その結果、最終的に”L08-E1”と呼ばれる
場所に決定したそうです。

 

そして、2019年2月22日に
タッチダウンを決行、

初代はやぶさが成しえなかった
弾丸発射にも成功しました。

 

また、サンプル採取にも
成功したと見られています。

 

 

はやぶさ2の2回目のタッチダウン予定は
2019年7月11日です。

 

今度は4月5日に作った
人工クレーターの近くにタッチダウンし、

リュウグウの内部の物質を
採取することが目的です。
 

無事に2回目のタッチダウン+サンプル採取を終え、
地球への帰還に成功してほしいですね!

 

——追記——

※2019年7月11日午前10時20分ごろ、
 はやぶさ2は2回目のタッチダウンに成功しました!
 

 そして、リュウグウの地下物質の採取も
 無事に行えたと見られています。
 

 はやぶさ2は 全てのミッションに成功し、
 今後は小型探査機を使ってリュウグウを観測、

 今年・2019年末ごろにリュウグウを離れ、
 来年・2020年末ごろ地球に帰還予定となっています。

 

関連記事

はやぶさ2のリュウグウへのタッチダウン その方法と難しさについて

はやぶさ2のクレーターの目的って?作り方や大きさは?

小惑星リュウグウとは 大きさや成分など天体の特徴について

 

 

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