ブランペイン彗星
(ブランペン彗星・ブランパン彗星)が
2019年12月に
近日点を通過します。
(地球最接近は2020年1月です)
ブランペイン彗星とは、
どのような天体なのか?
その特徴や性質について
まとめました。
ブランペイン彗星 2019年12月に近日点通過 最接近は2020年1月
ブランペイン彗星が、2019年12月21日(土)に、
近日点を通過します。
近日点とは、その天体の軌道上で、
太陽に最も近づくポイントのことを言います。
ブランペイン彗星の近日点は、
地球軌道とほぼ接しているため、
潜在的に危険な天体(PHO)に
指定されています。
潜在的に危険な天体とは、
地球に衝突するかもしれない危険性が
高い天体、ということです。
地球最接近は、2020年1月11日(土)
地球までの距離は、0.091AU(約1361万km)
2003年12月の最接近時の距離は、
0.0249AU(約372万km)でした。
今年の年末ごろには
4等級程度の明るさになるのではないか、
と予想されています。
ブランペイン彗星の軌道
ブランペイン彗星の位置は、
近日点通過の12月21日頃、
みずがめ座の”三ツ矢”の近くにあります。
12月21日の日の入りごろ(午後4時半ごろ)
みずがめ座の”三ツ矢”は南の空、
高度約55°の位置にあります。
午後7時ごろ、南西の空、高度約40°
午後10時ごろ、西の地平に沈みます。
みずがめ座については、
以下の記事で詳しく説明してありますので、
よろしければご覧ください。
↓ ↓
水瓶座について 恒星の名前や特徴 星雲・星団
みずがめ座η流星群の読み方 方角や極大(ピーク)母天体について
地球最接近の1月11日頃、
カシオペヤ座のα星近くに位置しています。
1月11日の日の入りごろ(午後5時前ごろ)
カシオペヤ座のα星は北の空、
高度約70°の位置にあります。
※カシオペヤ座の恒星は全て周極星で、
地平には沈みません。
午後10時ごろ、北西の空、高度約40°
日の出ごろ(午前7時前ごろ)
北の空高度約5°の位置にあります。
カシオペヤ座については、
以下の記事で詳しく説明してありますので、
よろしければご覧ください。
↓ ↓
カシオペア座とカシオペヤ座 どっちが正しい?
ブランペイン彗星とは 特徴と性質について
ブランペイン彗星(289P/Blanpain)は、
1819年に発見されましたが、
その後、180年以上も
行方不明となっていた天体です。
ブランペン彗星、あるいは、ブランパン彗星
ともいわれます。
2003年に、小惑星(2003 WY25)が発見され、
2年後、それがブランペイン彗星と
同一のものであると確認されました。
かつては彗星でしたが、
現在は、彗星特有のコマや尾を
形成する物質がほとんど枯渇した
”彗星・小惑星遷移天体”です。
彗星の定義などについては、
以下の記事を、ご参照ください。
↓ ↓
彗星と小惑星と惑星の違いとは?大きさ・質量 定義は何?
公転周期は約5年の周期彗星です。
近日点は地球軌道と、遠日点は木星軌道と
ほぼ接しており、
地球や火星、木星と
衝突する危険性を秘めています。
そのため、地球近傍天体
(PHO:潜在的に危険な天体)
として分類されています。
ブランペイン彗星は、過去に突発出現した
”ほうおう座流星群”の母天体(母彗星)
でもあります。
ほうおう座流星群は、1956年に1度だけ
1時間あたり300個に達する流星雨をみせ、
幻の流星群ともいわれています。
関連記事
流星の仕組みとは?流星群はなぜ起こる?母天体(母彗星)との関係は?
流星群の母天体の一覧 彗星?小惑星?意味をわかりやすく解説します